【飛騨時間満喫時代】
中学時代、バレーボール部に所属していました。他に打ち込んでいたことがあるわけでなく、ボールの前以外はぼんやり1人の世界にいるのが好きでした。先生によく「飛騨時間が流れとるぞ。都会のもんに負けるぞ。」と勉強に気持ちが向かないことを注意されましたが、のんびりな飛騨時間を抜け出すことなく、結局のほほんと高校卒業まで過ごし、いよいよ飛騨時間とサヨナラして都会にでました。都会にでて知りました。澄んだ空気や清らかな水はどこにでもあるものではないことと、飛騨時間がどれだけ豊かなものだったか。

【都会から実家へ】
母が他界したのをきっかけに岐阜県可児市出身の夫と高山に戻り家業を継ぎました。4人の子の母となり、家業と家事を必死にこなしました。1年過ぎるのが早いことといったら…気がついたら余裕で折り返してました。何に癒されるか？と聞かれれば、「青空に浮かぶ乗鞍岳、夜空の輝く星達」と答えます。飛騨は美しいのです。

【夢】
今は亡き両親は50年余り前にふたりで包装資材の会社を始めました。食品の包装が主でしたので、飛騨で生まれた食品を包む資材をお客様にお届けしてきました。その中でいつか自分達もその中身(食べ物)を作る仕事をしてみたいと聞かされて育ちました。その両親の「夢」はいつか私の「夢」となりました。

【開店までの道のり】
末っ子が小学生になった(2012年)頃、Elley's Kitchen開業の準備をし始めました。絶対メニューのひとつにしたかったのは母も大好きだったアップルパイです。お菓子の師匠に飛騨林檎で作るアップルパイレシピを考えてもらいました。収穫時期になると林檎を師匠の住む東京に持参して作り方から学びました。もともとの仕事の上に新事業への挑戦は長い時間を要しましたが、2023年4月ようやく実現にこぎつけました。お店の名前『Elley's Kitchen』は姉がつけてくれました。

【地元ラブ】
都会でメイクのお仕事をしている同級生が教えてくれました。飛騨の人はお肌がとても綺麗なんですって！たぶん水と空気なんだろうなと。美しい山脈から運ばれる清らかな水、そして澄んだ空気は恵みです。自然豊かな大地が育んでくれた美味しい野菜や果物達、全国的に名の知れた飛騨牛や丁寧に作り込まれたチーズ・ベーコンなどの加工品など自信を持ってオススメできる地元食材をふんだんに使い、手作りのパイなどを販売しています。

【最後に】
店主の飛騨時間にお付き合いいただき誠に有難うございました。今後ともElley's Kitchenのご愛顧お願い申し上げます。

店主 織田恵里